KOMTRAX—建機業界でIoT時代の先頭を走っているコマツの伝家の宝刀

KOMTRAX—建機業界でIoT時代の先頭を走っているコマツの伝家の宝刀

近年、IoT(Internet of Things)という言葉が熱い!
ネットで探してみると、言葉として生まれたのが1990年代だというのもあり、もっと前だという説もあります。
IoTの活用事例も意外に多く見つかりました。夢のような話だと思われた事が、次から次へと現実になってきています。
5年後の世界はどうなっているのでしょう?楽しみですね。

さて、安崎先生の新しい本にも、安崎先生がコマツ社長だった1998年に販売開始の「KOMTRAX」というIoT活用事例を詳しく書かれています。中国を含み世界で大活躍しているその姿がとっても素敵だとして、安崎先生の同意をいただき、この部分をピックアップすることになりました。

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 グローバル化に引き続き、IT技術が日進月歩し、ビジネスのみならず、一般の生活そのものを大きく変える時代を目前にしている、IoTの時代、AIの時代だ。コマツは、稼働機械の中にICチップを埋め込み、客先に販売した機械の稼働情報を客先よりも早くつかめる「KOMTRAX」というシステム導入により、建機業界ではIoT時代の先頭を走っているが、今後遠くない未来には、人間の衣服、靴、装身具、さらには皮膚、内臓、脳などにもチップを埋め込むようになるかもしれない。また、AIロボットも進化を遂げ、想像もできないIoTの時代が到来するだろう。ロボット社長が、人間社長よりよい業績を挙げるかもしれない。このような時代が来るにはどのくらいの年月がかかるだろうか。100年ぐらい必要だろうか。

 1980年代、中国の建機市場がまだ育っていないころ、私は、販売後のアフターサービスを充実させることに関心があった。建設機械は、厳しい条件下で稼働させることが多いので、修理などのアフターサービスが不可欠だからである。購入先の機械進出口総公司には、「機械納入後のサービスをやりたい」と申し出ていた。当時は政情の関係もあり、サービス員を現地に送り込むことはできなかった。しかし、大きな事故、故障が発生したときのみ、サービス員の受け入れが認められる状況だった。
 公司の担当者は、「中国の国土は広大だ。わずかばかりのサービス員を派遣してくれても、砂に水をまくようなものだ」と、私の申し入れを取り合わなかった。
 建設機械は故障するものである。だから定期的な点検、修理サービスは世界共通の課題だ。今はサービス員の派遣を拒否されているが、いずれ中国でも建設機械の修理サービスのニーズは高まると確信していた。

 ICT(Information and Communication Technology=情報通信技術)の進歩が、建設機械のアフターサービスに革命をもたらした。建設機械にチップを埋め込み、GPS、移動通信、Internet、パソコン、携帯電話をネットワークして、管理センターで総合的に情報管理するシステムを作り上げた。これが、KOMTRAXという名の管理システムだ。元々は、客先の車両機械のサービス用に、コマツの技術者が開発したものだ。遠く離れた場所にある機械と、管理センターを結んだ情報追跡システムである。エンジン、油圧システムの稼働情報、燃料消費などの情報をオンラインで入手するために考案したものだ。このアイデアは、IoTの走りともいえるものだったが、狙っていたビジネスモデル特許は取得できなかった。しかし、この分野で先行したコマツは、次のような3点の特徴を武器に、競争を優位に進めることができるようになった。
KOMATSU COMTRAX
・第一の優位性:故障情報などを即時にオンラインで取得することができる。
 客先の稼働現場にある機械一台ごとの故障情報などの詳細が瞬時に把握できる。小さな故障の場合は、客先に修理箇所、修理方法を教えられる。大故障の場合には、直ちにコマツのサービスネットワークが稼働する。故障内容があらかじめ判明しているので、修理に必要な部品や工具を持ってサービス員が訪問し、迅速に修理することができる。機械の休止時間をできるだけ短くしたいという、客先の要求を満たすことができる。

・第二の優位性:客先の稼働情報をオンラインで把握することができる。
 管理センターで、今日何時間稼働したか、毎日の燃料消費量、燃費を把握できる。機械が稼働現場を移動したという位置情報もすぐにわかる。不自然な遠距離移動があった場合には、機械の盗難ではないかと客先に連絡する。中国全土で稼働している機械の、毎日の稼働情報を把握できるというのは、素晴らしいビッグ・データである。今月と前月のデータを比較すれば、景気が上向きなのか下向きなのかの情報が、毎日オンラインで手に入る。これを注意深く観察すれば、「景気が好調を持続しているので、増産して在庫を厚めに持とう」「稼働時間の減少が続いているので、在庫を絞ろう」という経営上の決定が容易に行える。また、燃料消費情報は、売り込む際のセールスポイントとして使える。

・第三の優位性:代金回収が楽になった。
 これは、中国で効果的だったもので、いわば副産物といえるものだ。建設機械は高価なものだから。頭金を30%もらい、残りは割賦販売契約により、2年とか3年の間、毎月いくらかを分割して回収するのが普通だ。ところが、毎月の割賦代金を回収するのが、意外に大変なことであった。お金があるのに払わない客先もいる。代金支払いを催告しても払わない。再三の催告でも支払がないときには、機械を引き揚げることもある。それほどではない場合に登場するのがKOMTRAXならではの機能だ。遠隔操作でエンジンを停止させることが可能なのだ。契約時にこのことを明示して、客先の了解をもらって販売している。支払い遅延の客先には、催告を繰り返すが、それでも支払わないときには伝家の宝刀を抜き、エンジンを停止させて機械の稼働を止める。機械を稼働させたい客先は、エンジンが止まったと文句を言ってくる。このとき代理店は、「お客さん、今月の割賦代金が未払いですね。支払っていただければ、エンジンはすぐに動きます」と答える。どうしても機械を動かしたい客先は、即座に支払うことになる。そうすると遠隔操作でエンジン停止を解除させ、機械を稼働させられるようにするのである。お金があっても。代金をなかなか支払わない客先に対する代金回収には、大きな効果を発揮した。思わぬ副産物であった…

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康查士(KOMTRAX)—物联网时代建机业界领军企业小松的传家宝刀

近年,物联网(IoT-Internet of Things)变成了一个热词!
我在网上搜了一下,有说这词诞生于1990年代、也有诞生得更早的说法。
另外,在网上还发现物联网概念的活用事例出乎意料地多。以前听似梦话一般的事情,一个一个都在变成现实。
5年之后的世界会是什么样呢?拭目以待。

话说安崎先生也在新书里,详细地记载了他在小松总经理任期内的物联网活用事例-1998年开始销售的康查士(KOMTRAX)系统。康查士(KOMTRAX)系统,在包含中国的世界各地英姿飒爽、大显神通,现征得安崎先生的同意,将这一部分内容分享如下。

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1980年代,中国的建设机械市场还没有成长起来的时候,我就认识到充实产品售后服务的重要性。因为建设机械多是在严酷的条件下运转,所以修理等售后服务不可或缺。我向购入方的机械进出口总公司提出了“希望开展机械配送之后的服务工作”的意愿。然而,因为受到当时政治状况的制约,派遣服务人员到现地的提议没有能够实现,不过发生了比较大的事故、故障之时,可以获准派遣服务人员赶赴现地。
 公司的担当者觉得我的提议不可行,他说:“中国国土辽阔。仅仅派几个服务人员去,只不过像是在沙漠里洒点水一样,无济于事”。
 建设机械难免发生故障,因此提供定期检查、修理服务是一个世界共通性的课题。所以我当时相信,虽然现在派遣服务人员被拒,但是将来有一天在中国,建设机械的修理服务需求一定会增长。

 ICT(Information and Communication Technology=信息通信技术)的进步,引发了建设机械售后服务的变革。小松开发了新的管理系统,就是将芯片装入建设机械里、实现GPS、移动通信、因特网、电脑、手提电话的网络化、由管理中心进行综合性信息管理。这个管理系统被命名为KOMTRAX(康查士)。最初的目的本来是为客户提供车辆机械服务,由小松的技术人员开发出来。此系统的作用是将远距离的机械与管理中心联网,进行信息追踪。也就是说,设计生产它的原意是打算用来在线获取发动机、液压系统的运转以及燃油消耗信息。可以说,这个创意基于物联网思维,然而遗憾的是,期望的商业模式专利没有能够取得。但是值得庆幸的是,在这个分野先行一步的小松,具备了下述3个特征并以此为武器,也可以说是拥有了3个竞争优势,赢取了更多的发展机会。

・第一优势:能够立即在线获取机械故障等信息。
能够在一瞬之间把握在客户现场运转的每一台机械的故障等详细信息。如果是小故障,小松的处理方法是向客户说明应该修理的部位以及修理方法。而遇上大故障,小松的服务网络则立即启动。由于系统已经事先判明了故障内容,所以服务人员能够带着修理所需的零部件以及工具、赶赴现场迅速进行修理。这样便能将机械的暂停运转时间尽力缩短,满足客先的需求。

・第二优势:能够在线把握客户的经营管理状况信息。
 管理中心能够掌握客户方当天的机械运转时间、每天的燃料消耗量、燃料效率之类的信息。机械在运转现场一旦移动,其位置信息也能立即掌握。所以小松若发现了不同寻常的远距离移动,便会联系客户,确认是否发生了机械被盗的事故。能够掌握在中国各地运转机械的每日运转信息,可以说获取的是极具参考价值的大数据。每天都可以在线取得信息,并且通过比较这个月与上个月的数据,观察景気的好坏。细致深入的观察,让经营决策也变得简易轻松,比如“景気持续不错,可以扩大生产、增加库存”,“运转时间持续减少,该减少库存”。另外,在推销产品时,燃油消耗信息也能作为一个卖点加以利用。

・第三优势:贷款的回收变得简单易行。
 在中国产生的这个效果,可以说是个副产品。建设机械价格昂贵,因此小松通常是收取30%销售额为首付,剩下的销售额签订分期付款销售契约,在2年或者3年之内,每个月收取约定的分期支付款项。然而,每月收取分期支付款超乎寻常地艰难。有的客户有钱也不支付,被小松催促也不支付。对于再三催促也不支付的客户,机械有可能被回收。发展到此地步之前登场的机械便是KOMTRAX,小松能用它的远距离操作功能,停止拖欠费用客户方机械发动机的运转。小松在签约时会向客户明示这个功能,让买方知情的情况下出售产品。对于拖欠款项、反复催促也不支付的客户,小松便会拔出这把传家宝刀、使发动机停止工作、机械停止运行。如此一来,希望运转机械的客户,便会向小松抱怨发动机停止工作了。而代理店则会回答:“您公司还拖欠着这个月的分期付款额啊。只要您家支付,发动机立马就恢复工作”。无论如何也想让机械运转的客户,马上就会付钱。然后,小松也立马进行远距离操作以恢复发动机的工作。对于有钱却拖欠机械款项的客户,KOMTRAX在回收费用方面发挥了极大的效应。这个效应是一个出乎意料的副产品……

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安崎会長、9月9日CIO賢人倶楽部公開セミナー講演レポート

9月9日14時より、CIO賢人倶楽部主催の公開セミナーが予定通り行われました。
台風の最中にまさか80人以上の方々がご来場いただきました!

Seminar

下記の通り、簡単なレポートを載せさせていただきます。

  ●CIO賢人倶楽部公開セミナー
                   どうする、CIOの後継者育成
     ~育成で人材は育つか?組織に貢献するIT部門を築くには~

 

・14時より、公開セミナーはCIO賢人倶楽部木内里美会長からの短いご挨拶でスタート。

・14:05分より、KPMGコンサルティング株式会社パートナー 寺﨑文勝様より、『人材開発体系の構築とタレントマネジメントの実践』について「戦略的タレントマネジメント」のしくみ、その導入と運用のポイントについて40分ほどご説明いただきました。

・14:45より、安崎会長より『日本型ハイブリッド経営から見た人材育成』をテーマにし、コマツ創業者経営DNAの継承、社長就任時に考えて強く推し進めた「人材育成」と「情報武装」、
特にその成果として経営とITの融合~ハイブリッド経営の成功実例などを、50分ほどご紹介いただきました。

・休憩後15:50より、CIO賢人倶楽部アドバイザー(元 ノバルティス ファーマ株式会社 執行役員 CIO)沼 英明様より、『情報システム部門における人財育成』をテーマとし、ソーシングストラテジーが多くの企業のキーサクセスファクターになるに伴い、社内情報システム部門に求められる役割も変化をし続けている昨今、ひと、人財を育成するための方法とマインドについてご講演なさいました。

・16:40より、『CIOおよびIT部門の人材育成のポイント』についての1時間ほどの活発なパネルディスカッションが行われました。
【モデレーター】 KPMGコンサルティング株式会社 パートナー 立川 智也 氏
【パネリスト】
 本研究会会長(元 株式会社小松製作所 代表取締役社長) 安崎 暁 氏
 CIO賢人倶楽部アドバイザー(元 ノバルティス ファーマ株式会社 執行役員 CIO) 沼 英明 氏
 CIO賢人倶楽部 会長 木内 里美 氏
 株式会社インプレス IT Leaders 編集主幹 田口 潤 氏

・その後の質疑応答も活発で20分予定でしたが15分ほど長引き、最後の懇親会までコミュニケーションが続きました。

セミナー参加者は、CIO賢人倶楽部会員に加えて、ほとんど経営者及び会社のCIOで、安崎会長の講演で「企業の競争相手は同業他社ではなく世の中の変化だ」という締めくくりに共鳴がかなり起こりました。

また、本研究会の趣旨や活動などについての質問も出ました。対して安崎会長より、引退後の余生三等分主義の「世のため」という部分や、世の中との繋がりを通してボケ防止というような冗談交じりのご回答で参加者達の笑いを誘いました。

世界標準への対応~情報システム-応対世界標準~信息系統

—Click to read Chinese—点击阅读中文版—

こんにちは、安崎暁グローバル企業発展研究会会長の安崎 暁です。

ブログをご応援の皆様、ありがとう。前文では「1.2 多様性の認容、独自性の維持」を述べ終わった。今日は「1.3 世界標準への対応」という話題に移ります。

1.3 世界標準への対応

(1) 情報システム

前に紹介した90年代委員会の議論で目立ったのは、来るべき情報化社会に会社はどう対処するのか、グローバル化の過程で今までの情報システムをどう変えていくのか、という点だった。

1995年に社長となったが、社長の仕事として①情報武装、②人材教育の二つをあげた。どちらも具体化しようとすると、総論賛成、各論は異論続出でまとまらない。社長が決断しないと前に進まない状態だったからだ。

まだパソコン、インターネットは普及以前の時代。1997年1月17日号の週刊朝日は電脳社長ランクを特集、6人がAA,4人がAクラスの評価。私は無印の落第点。次のような記事にされた。”安崎社長はもっぱら、「経営方針を立てて、カネをつけ、号令をかけている」とのこと、経営者にとっては、熟達以上に旗振りがじゅうようなのかもしれない”。

CIOに情報専門家ではなく、システムの利用者・活用者代表として当時生産本部長だった、前社長、現会長の野路さんを指名して存分に腕をふるってもらった。2001年3月号の日経情報ストラテジー誌にコマツ「ネット建機で顧客サポ―ト最優先」と紹介された。数年間の社員の活動成果が経営革新にITを活かす結果となった。

自社開発のシステムを捨て、世界標準のBAANやSAPを採用して海外工場を含む世界同時生産の仕組みが整ったのも、GPSを利用した鉱山機械システムによる事業が伸びたのも、機械にICチップを組み込み顧客サービスに活用したのも情報武装のお陰だった。(続く)

最後までお読みありがとう。また次回ね!

—–For Chinese readers below—–以下中文阅读—–

大家好!我是安崎晓跨国企业发展研究会会长安崎 晓

谢谢各位对我博文的支持。前文阐述了「1.2 多样性的包容以及独自性的维持」。今天转入下一个话题「1.3 应对世界标准」。

1.3 应对世界标准

(1) 信息系统

前文所述的90年代委员会的讨论内容里特别引人注目之点在于公司如何应对即将来临的信息化社会,以及在全球化过程中如何改善现存信息系统使之能满足新时代的需求。

我于1995年就任社长时,着手进行了两项工作:①信息武装 ②人才培育。这两项工作都是一到具体化阶段,就会面临总体上赞同,具体问题上却遭遇反对,各类意见无法调和汇总的局面,陷入社长不下决断就难以继续推进的状态。

当时电脑,因特网尚未普及。1997年1月17日号的周刊朝日登载了电脑社长排行特集,6人获得AA级,4人获得A级的评价,朝日对没能排上什么级别的我给与了如此评论:”据说安崎社长一门心思扑在「订立方针,调集资金,发号施令」上面,作为经营者,超人的手腕固然不可或缺,然而冲锋在前摇旗呐喊的姿态也是极其重要的吧”。

关于CIO(Chief Information Officer。首席信息官)人事,我没有选用专家,而是指名起用了当时的生产部长,小松前社长(我的后任社长),现任会长的野路先生,让他放开手脚展开工作。2001年3月号的日经信息战略杂志(日経情報ストラテジー誌)里对于小松为支援顾客为首要目的而开发生产的联网建设机械作了介绍。员工们多年的辛劳让IT技术得以成功地活用于经营革新中,并开了花结了果。

总之,小松的信息武装取得了辉煌的成果,比如,放弃公司专用系统,采用世界标准化技术-包括集生产・销售・成本・财会管理于机能于一体的BAAN以及具备世界首屈一指企业管理能力的SAP,健全了包括海外工厂在内的能在世界各地同时运转的生产组织体系,装备了GPS(全球位置测定系统)的矿山机械系统拓展了公司的事业,将IC芯片置入机械里并活用于顾客服务中,等等。(续)

谢谢阅读。再见!

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